“Just caramelized, not burnt.”
「苦くないコーヒー」
私たちのコーヒーは苦くありません。
「コーヒーから苦味を取ったら、こんなフレーバーが隠されていた」
という、甘味のあるフルーティーな味わいのコーヒーです。
もともとコーヒー豆が持つえぐみのような苦味はありますが、それ以外のコーヒーの苦味は、焙煎による焦げから来ています。
「コーヒーっぽくない」と感想をいただくこともあるように、ハーブティーや紅茶のように一口目は思うかもしれません。
でも、長く続く後味や刻々と変化する香りでフレーバーの層の厚みを感じられる、しっかりした味わいを持つコーヒーです。
例えるなら、バーベキューの火の上でちょっと置き去りにされたお肉や野菜。だんだん焦げていくと、肉も野菜も同じような焦げた味になっていきます。
同じように、コーヒー豆も個性が豊かなのに、焙煎が進み焦げが出始めると同じような味に近づいていきます。
せっかく個性がはっきりしているスペシャルティコーヒーたち。
その良さをできる限り出せる焙煎をしたい、と、”焦げ味”を排除する焙煎をしています。
「コーヒーはフルーツ」
”コーヒー豆”と言いますが、本当はコーヒー豆とは”コーヒーチェリーの種子”。
もともと、果物としての酸味や甘味を持ち合わせています。
「酸味が苦手」と言われる方にも、フルーツの酸味が大丈夫ならば、コーヒーの上質な酸味は心地よく感じていただけると思います。
「五感で愉しむコーヒー」
淹れたての温度、少し冷めてきた温度、すっかり冷めてまで、
刻々と変わる風味を最後まで美味しく味わっていただけるようなコーヒーです。
店舗では Avensiグラス3種をご用意しており、
赤みを帯びたコーヒーの色を目で見て、
透明なグラスでコーヒーを手で包み込んで触れているように、
グラスから立ち上がる香りを愉しみ、
器の形状ごとに表情を変えるコーヒーの味わいまでを、
ゆっくりとした時間の流れで愉しんでいただけます。
口が開いているグラスは全体をまとめてバランスを良くし、
大きくすぼまっている口のグラスは香りを増幅、
その間を取るグラスは、香りを出しながらもバランスを取ろうとします。
「作り手から飲み手への橋渡し」
コーヒー豆は一粒ずつ手摘みで収穫され、様々なプロセスを経て精製され、遠い国から日本へ運ばれてきます。
「Picker」と呼ばれる人たちが、急斜面を軽やかに動き回りながらコーヒーの実を収穫し、60~70㎏ほどの袋を集積所へ担いで運び、
精製所では次の作業のタイミングを図って、夜通し人々が働き、
たくさんの人の手を経て、この一杯のコーヒーがここにあります。
“From Seed to Cup” 種からカップへ
1杯のコーヒーの後ろにいるたくさんの人の思いに心を馳せる
そんなコーヒーをお届けしたいと考えています。
「コミュニケーションで育つ焙煎機」
Aillio Bullet R-1 という焙煎機を使っています。
この焙煎機はKick Starterで手に入れた、Aillio社の社長自らが工場に泊まり込んで組んでいたというファーストロットのシリアル番号88、初期のマシーンです。
世界中のBullet R-1 ユーザーによるネット上での意見交換から製造元が改良を加えて、バージョンアップしています。
有機的に育っている、という印象が気に入っているポイントの一つです。
「加圧熟成というコンディショニング」
焙煎直後の豆から激しく出る二酸化炭素ガス。
このガスの放出で香りも連れていかれてしまうので、焙煎してから時間が経った豆は香りがなくなっていきます。
このガスの放出を抑え、逆に圧をかけて押し返すようにすると、香りが均等に豆の中に定着するようで、フレーバーがまとまっていき、経時変化は決してマイナス方向ではなく、熟成というプラスのコンディショニングが実現できました。
ビール屋でコーヒー屋、であることを活かして、ビール樽やビールの保存容器を利用した、二酸化炭素ガスを利用したコンディショニングを行い、1週間以上寝かせた豆を販売しています。
酸素がない環境で圧をかけているので、長期保存が可能です。
ボトルに詰めたコーヒー豆の賞味期限は2年。
最初の印象からどんな経時変化を見せるのか、しばらくお手元に置いていただいてから開栓しても楽しんでいただけると思います。
「自家製ナイトロコーヒー」
水出しコーヒーをビール樽に詰めて窒素ガスで加圧し、ビールサーバー12番から注ぐ「ナイトロコーヒー」は、サーバーも含めて自家製です。
窒素ガスのきめ細かい泡が、クリーミーなマウスフィールとなり、甘味や香りをより一層感じられる冷たいコーヒーです。
ビールを飲むお仲間の中でハンドルキーパーの役を担った時、このナイトロコーヒーならば一緒に飲んでいる気持ちでテーブルを囲むことができます。
「表情を変える三通りの抽出法」
温かいコーヒーは、抽出方法を選んでいただけます。
■コールドブリューのお燗(湯煎)~水出しコーヒーを”チロリ”でお燗~
■こってり(浸漬式)~ステンレスメッシュフィルターで4分以内で抽出~
■あっさり(半浸漬式)~December Dripper ペーパーフィルターで4分以内で抽出)~
コーヒーの持つオイル分をペーパーフィルターは濾し取ります。
”あっさり”の淹れ方は、雑味が少なくなりクリーンな印象のフレーバーを楽しむことができます。
”こってり”は、そのオイル分まで余さず抽出するので、豆の持つ全てを味わうことができます。
当店のイチオシは「コールドブリューのお燗」です。
水出しで高い温度に触れたことのないコーヒーは、アロマを内包したままの液体。ドリップは淹れているときの香りが一番強く感じますが、水出しをお燗することでその香りを飲むタイミングで出すことができます。
水出しならではのマウスフィールの滑らかさや甘味も、この方法ならではのものです。
「十人十色の”好き”があるコーヒーだから」
私たちのコーヒーは、ベイク(Bake)臭と呼ばれている焦げた香りが出る前に焙煎を止めているコーヒーです。
いわゆる「コーヒーらしい」とこれまで認識されてきた香りを排除した形になります。
焙煎度合いを豆ごとに変えたりしないのは、私たちがこの「焦がさない焙煎」で味わえるフレーバーや甘味が好きだからです。
いろいろな豆、焙煎度合い、焙煎の解釈、抽出方法、カップの形状、そして、誰とどこで飲んでいるか……
コーヒーというものの受け取られ方は、意外とちょっとの違いでも大きく異なるものです。
そんな中で、私たちのコーヒーが、どなたかのお手元に届いて、ほっと一息のお役に立てることを願っています。
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